不動産鑑定士

不動産鑑定士は実力主義の世界

次に紹介する高収入の仕事は、不動産鑑定士の仕事です。
不動産鑑定士というのは、国や自治体の依頼を受けて、「不動産の価値」を鑑定する仕事となります。
この不動産の価値は固定資産税や相続税の計算を行う場合に重要なベースとなるため、国や自治体の税収にも関わる重要な仕事ということになります。

一般的な不動産鑑定士の場合、平均的な年収は600万円から700万円前後です。
しかし、不動産鑑定士の仕事は、固定資産税の評価が変更される年になると多くなるため、その年については業界全体の平均年収も大きく上昇することになります。
この固定資産税の評価替えは3年毎に行われることになるため、本当の平均年収はもう少し高いと言えるでしょう。

また、不動産鑑定士の収入は、どこに務めるのかということによっても大きく変動することになります。
特に大きな収入を得られる可能性があるのは外資系の金融関連会社などですが、こういった場所は実力主義の場合が多く、就職も狭き門です。
逆に薄給になるのは不動産鑑定士事務所に実務研修として務めている時期となります。
この時期については、今後の安定のための時期と考えて薄給で頑張る必要があります。

不動産鑑定士の仕事は、フィールドワークとデスクワークに分かれています。
フィールドワークに於いては、鑑定を依頼されている不動産に関して実際に出向いて情報収集を行うことになります。
登記に登録されている不動産情報と実際の不動産の状況に齟齬がないかどうかを確認することになります。
もし現状が変更されている場合については、そちらをベースにして評価額を計算しなければなりません。

フィールドワークが終わった後には、その情報を元にしたデスクワークで不動産情報を記入していくことになります。
当然その記入がおわった後には間違いがないことを確認する必要があり、これらの作業にも時間がかかります。

不動産鑑定士になるには

不動産鑑定士になるためには、国家資格を取得する必要があります。
不動産鑑定士資格は不動産関係の資格の中では最も難しい資格であるとされており、狭き門を通らなければなることが出来ません。
以前は受験資格が存在していましたが、2006年以降は受験資格が撤廃されたため、現在では誰でもこの資格試験を受けること自体は出来ます。
しかし、やはり十分な知識を持っていなければ合格することは出来ないため、独学での合格は難しいことには違いはありません。

さらに、不動産鑑定士として仕事をするためには、資格を取得したのちに実務研修を行う必要があります。
これらを突破して初めて不動産鑑定士として活動することが出来るようになるため、安定した収入が得られるようになるにはある程度の期間が必要です。