大手総合商社

高収入であること以外にも、次々に事業を展開したり、海外での仕事を行ったり、営業職としても非常にやりがいを感じられる業種が商社の中でもより多角的なポジションで関わることができる総合商社です。
特に、大手の総合商社となると、石油コンビナートの開発から一般小売に卸す商品の買い付けや販売経路の確保などを行うことになるため、自分の好きな部署や仕事に取り組めるようになれば、没頭することができる職業でしょう。

総合商社の仕事

実は、総合商社という会社形態は、世界でも珍しく、日本の特有の会社形態なのではないかと考えられています。
外国を見渡しても、日本と同じくらいの経営規模を誇る商社はありますが、その多くが、穀物やエネルギーに関する商社で、扱っている商品の種類は1種類であることがほとんどです。

これは、日本には技術者が多くいたため、メーカー企業が多かったのに対してそれらの製品を売るための販売部門がどの企業もなかなか発達しなかったことが原因となっており、これを1つの商社が多業種にわたって取引を行うようになったため、現在のような形になったと考えられています。

総合商社で働く人は、営業や企画、コンサルティングを行う人など様々な職種に関わる人たちです。
このため、もともと大手の石油会社や物流会社などで働いていた人が、転職先として総合商社を希望する場合もあり、それぞれの専門分野を活かした役割分担での仕事に当たることになります。

総合商社で働く人の年収

総合商社で働く人は、新卒以外にも専門家として他企業から転職をしてきた人も多くいるため、その業界で実績を残してきた優秀な人材が揃っていることでも知られています。
このため、年収に関しても他の業種と比べて高くなる傾向があり、平成24年の統計調査でも平均年収がおよそ1200万円となっています。

職業上、出張も多く、資料をまとめたり事業案について企画書を書いたりしなければならないため、残業なども多くなりがちであり、また休みに関しても中々思うように取れないこともあります。
海外志向の強い人にとってはビジネスチャンスもあり大きな金額を動かすことのできる魅力ある職業だということもできますが、一方で時間の拘束が厳しい環境であるために、家族での時間を確保したい方などにとってはあまりお勧めできる職業ではないかもしれません。

総合商社で行う事業

商社はその名の通りもともとは、小売り業者への販売や、仕入れを行うための業者でした。
特に、高度経済成長期には外国から資源や資材を輸入してメーカーへと販売、その後メーカーの作った製品を自社のコネクションを利用して販売するという外貨を獲得する上で重要な役割をはたしていた企業です。

ところが、近年では、メーカーが独自に整備したルートで商社を使わずに直接流通を図ることができるようになったため、商社では取引する資材や製品の分野を増やすことや、流通のインフラを整備代行することで代替利益としてきました。

現在では、事業投資なども積極的に行い、コンサルタント業でも活躍する場があります。
総合商社で働くことで、様々なキャリアや経験を積むことができるため、新卒者でも総合商社を狙って就職活動を行う人はたくさんいます。