開業歯科医師の実態とは
歯科医師資格は、取得まで高等学校卒業から6年間がかかる非常に難しい国家資格です。
かつては個人で診療所を開きやすく安定的な高収入が望める人気の職種だったのですが、現在は需要に対して人材供給が過剰な状態となっており、歯科医師免許があっても年収はサラリーマンの一般職と変わらないということも珍しくありません。
全国各都市には、駅前通りに歯科医院や歯科クリニックがずらりと並んでいるようなこともよくあり、個人で開院する時にはそうした数多くあるライバルに対抗できる強みがなくてはいけません。
年収1000万円を超えるような成功した歯科医師の多くが、歯科診療だけでなく収益につながるビジネスモデルを持っています。
まず基本的なことですが、収益の上がる歯科医院は数多くの患者さんに利用をしてもらわなければいけません。
一見同じように思える歯科医院ですが、やはり利用をする側からしてみればより自分から通いやすいところを選びたいものです。
人気のある歯科医院の特徴としては「院内の雰囲気がよい(外観、内装がキレイ)」「清掃が行き届いている」「スタッフの感じがよい」「予約がとりやすい」といったものがあります。
もちろんそれらは、歯科医師としての腕前がよいということが前提となりますが、利用をした人からの印象を良くすることで口コミでお客さんを増やしていくことができます。
また、いくらよい環境を院内に整えたとしても、肝心の患者さんの目に止まらなければ意味がありません。
訪れる人にとっては、中にあまりにも人がいないと「ここは大丈夫なんだろうか?」と不安になってしまいます。
多くの人が利用するようになればそれ自体が宣伝効果を持ちますので、最初の集客には特に力を入れたいところです。
歯科医療以外のサービスを積極的に取り入れる
今時の歯科医院や歯科クリニックでは、歯科医療だけでは集客をすることはできません。
むしろ定期的に訪れてくれる常連さんを作るためには、歯を美しくするためのメンテナンスサービスを展開していく必要があります。
歯科矯正やホワイトニングのような健康保険の対象にならない自由診療項目も、世間からのニーズは非常に高いものです。
また歯について積極的に啓蒙活動をしていくことで、定期的な歯石の除去や歯周病チェックといったことに利用をしてもらえます。
健康のためには定期的に歯科医院に通うことがよいということはわかっていても、かかりつけの歯科医院の感じがよくなければ次第に足が遠のいていってしまいます。
人気の歯科医院は最初の通院のきっかけは歯科治療であってもそこから上手に定期的なメンテナンスをすすめ、リピーターを獲得するための工夫をしているものです。